セントエルモの火の意味 登山用語

セントエルモの火

セントエルモの火とは、雷が近づいているときや電気が空気中に帯電している状態の時に大気中の先端などの突起物に青紫色の光がみられること。一種のコロナ放電現象である。放電の際にシューシューという音を伴う。

セントエルモの名前がついた由来は、地中海を行き来していた船乗りたちが船のマストが光るのを見て、船乗りたちの守護聖人の聖エルモ(英語:St.Elmo)の加護だとして、名付けたことから来ている。海においては船のマストが、山においては急峻な山頂やあるいは何かの先端(ピッケルなど)が、また飛行中の航空機の外部の先端などでも発生する。

航空機の場合は飛行機自体が絶縁体の固まりで、精密機器が落雷などから守られるように設定されているが、悪天候時(雨や曇り)の時は飛行中に、航空機の機体と空気中の水分子との摩擦によって発生する静電気量が大きくなってある時点を超えると、放電が始まる。これが飛行機で見られるエントエルモの火である。

ちなみにセントエルモの火とまではいかなくても、日常生活でも放電現象は経験しており、雷や静電気が挙げられる。真冬の晴れて乾燥した日にドアノブなどの金属に触れると、瞬間的にバチッと電気が走る。それまで自分の体が知らずに帯電していた電気が金属に触れた瞬間に放出されて静電気となる。あれも実は瞬間なので目に見えないが、火花は出ているのである。