草本帯の意味 登山用語

草本帯(そうほんたい)

草本帯とは、植物の垂直分布における区分において高山帯に位置する。高山帯の中でも2分され、高山帯の下層部分は低木帯、上層部分は草本帯・地衣帯となる。つまり、草本帯が位置する部分は植物が植生できる限界域となる。

低木帯はハイマツなどの低木、草本帯は高山植物、地衣帯は地衣類(菌)やコケ類などが植生する。草本帯はいわば、高山植物によるお花畑が見られる場所でもある。(草本帯を以降、高山植物とする。)高山植物は氷河期の名残であり、日本には500〜600種あると言われている。日本固有種もあれば、世界で見られる種類もある。

この高山植物の世界分布図は統一されていないが、大まかに表わすと次のとおりとなる。「汎世界要素(北極・南極・高山帯に分布する)」「周北極要素(北極海を中心とする北半球に分布)」「アジア要素(アジア大陸に分布)」「太平洋要素(太平洋に面する地域に分布)」「低山要素(日本および日本周辺の低山帯から進出)」「純日本固有要素(日本に起源をもつ日本固有のもの)」と区分されている。なお、日本固有種は43種が確認されている。