アブレーションの意味 登山用語

アブレーション

アブレーション(英語:abrasion)とは、氷河による浸食作用のこと。氷食ともいう。氷河時代に発達した氷河が現在も山岳地帯や両極点(北極・南極)になお残っており、山岳地帯などは氷河の重みや流動によって地表(氷河底)が削られていった。

現在も氷河がある場所では浸食が続いている。氷河の浸食を受けた地形を氷食地形と呼び、浸食型と体積型に分けられる。浸食型では、圏谷(カール)、U字谷(氷食谷)、アレート(鋸歯状山稜)、氷食尖峰(ホルン)が代表的である。堆積型は、モレーン、氷堆丘、エスカー、ケイム段丘、ザンドル、釜状陥没地などがある。日本では氷河が残存していないため、氷河地形が残るのみであるが、北米やヨーロッパアルプスなどでは現在も見ることができる。

なかでもU字谷は圧巻で、文字通りU字型になっているので氷河地形と分かりやすい。氷食尖峰といえば、マッターホルンが真っ先に思い浮かぶが、このほかにもホルンが付く山名がヨーロッパアルプスには多い。