滝雲の意味 登山用語

滝雲(たきぐも)

滝雲とは、稜線を超えた雲が山肌に沿って流れ落ちるように下に落ちていきやがて消えていくもので、その様子が滝のように見えることから滝雲と呼ばれている。

滝雲の発生条件は、雲海があること。雲海が発生するにも条件が揃わないと発生しないが、この時に雲を動かすような強い風が吹いていると、雲海が動き滝雲になる。雲海の発生条件として、「温暖前線」と「北東気流」の2種類がある。「温暖前線」とは温かい空気と冷たい空気がぶつかって形成されるもので、温かい空気が上、冷たい空気が下になる。「北東気流」とは関東地方に多いが、太平洋の湿った空気が冷やされて雲になり、関東平野に流れ込み、上空が高気圧に覆われていると下降気流が発生し、この雲を下へ抑えつけるように吹く。雲海ができるのはこのどちらかの条件で見られる。

滝雲の場合は、この雲海に加えて、安定層が雲海の上になると、風が吹いても雲は上昇していかずに横に流れていく。この時に安定層が山頂の少し上に位置していると、滝雲が発生する。滝雲は滅多に見られない現象である。