ツリースポットの意味 登山用語

ツリースポット

ツリースポットとは、「根まわり穴」「根開け」ともいい、木の根元の雪が溶けて丸い穴ができることをいう。寒さが緩み始める春先に見られる自然現象である。ツリースポットができる理由は定かではないが、ひとつには太陽からの光が差し込んだときに、雪面の反射率が大きいため熱が雪中へ伝わらないのに対し、木の幹は太陽光からの熱を吸収するために木の周りは温かく木の根元の温度も上がって同心円状に雪が融けていく、と言われている。

あるいは雨が降ると、木の幹を伝って根元へ流れていくので雪が融けるなど、さまざまな理由があると言われている。木が斜面に生えていると重力に従って下り方向に穴が広がる。このツリースポットの深さは積雪量によるので浅いものから深いものまである。あまり深い穴は脱出が大変になるので近づかないほうがいい。ブナ林ではツリースポットが大きくなると木が活動を始め、根元から水を吸い上げる音が聞こえるようになるという。春が近付いている証拠である。