低体温症の意味 登山用語

低体温症

低体温症とは、脇下の体温ではなく、直腸温などの中心体温が35度以下になった状態をいう。登山においては「偶発性低体温症」という。寒冷な空気にさらされると、手足の抹消血管が収縮して血流をおさえ、熱の発散を抑えるとともに、震えといった症状がおこる。

中心体温が35度以下になると低体温症になるが、震えは中心体温がもう少し高い段階から始まり、震えがあるうちは熱を上げるエネルギーが残っているが、震えがなくなった時が本当に危険である。震えがある状態で、体温をあげる処置を行う。低体温症になりやすい状態としては、体力のない人、栄養不足、疲労、水分不足、怪我人、神経系の病気がある人、が低体温症になるやすいといわれる。

震えが始まったら、まず意識がしっかりしているかどうかを確認する。まず初期段階として、身につけているものが濡れていたり冷たいものがあったら、身から外し、健康な人と一緒に毛布にくるまるなどして体を温め、体温をあげるためのカロリー補給をし、脱水症状を起こさない水分を補給する。(コーヒーやお茶は利尿作用があるので水分補給には向かない。)それでも悪化するようであれば、ただちに救助を要請する。止むを得ず屋外にいる場合は、ツエルトなどをかぶったりして保温に努める。