網シャツの意味 登山用語

網シャツ

網シャツとは、1950年代後半に登場した、材質が木綿あるいはポリエステルからできた、2〜3cmの網目状の丸首半袖型の登山用シャツのことである。この網シャツを下に着て、その上にウールのシャツを重ね着する方法が主流であった。重ね着することで、シャツとウールシャツの間に空気層を作り、皮膚表面で汗を蒸発させるという仕組みである。

網シャツは、化学繊維でできた登山用シャツが主流になるにつれて姿を消した。登山においては下着選びが重要になってくる。下界と山中では気温差があり、例えば真夏は下界は30度でも3000m級の山中では10度というのが普通である。下界は暑いので半袖で登れるが、登山中は汗でシャツが濡れるため、いつまでも濡れた下着を着ていると、体温が低下するのである。特に山中では気温が低いのでなおさらである。

体温の低下は体力の消耗を招き登山においては危険であり、昔から、着替えを持参したりして、体温を維持する方法がとられてきている。現在の主流である、化学繊維でできたシャツは速乾性を謳っているのは、そういう理由からである。