日本百名山の意味 登山用語

日本百名山

日本百名山とは、文筆家で登山家でもあった深田久弥によって、1964年に刊行された『日本百名山』のことである。随筆である。深田久弥は選定するにあたっていくつかの基準を設けた。山の「品格」「歴史」「個性」の3つを選定の際の基準としている。

まず「品格」とは、誰が見ても立派だと感嘆することで、第一の基準にしている。「歴史」とは、人間との関わりが深く山頂に祠が立てられていることを第二の基準にしている。「個性」とは他の山にはない個性を第三の基準としている。そして、深田自身が登ったことがある山を絶対基準にしている。すばらしい山であっても、深田自身が登っていないと判断できないとしたのである。

また、観光的化(遊園地が山腹にあるなど)されて山霊の住処が失われている山も選定から外したと深田は言っている。この本が世に出てから、全国で百名山登山ブームが起こり、にわか登山者や観光客が急増し、オーバーユースで山が荒廃する一因にもなった。また景色を楽しむことなく、百名山すべてを登頂することだけを目的とするピークハンターの出現も生み出した。百名山ブームは落ち着く事は無く、まだ続いている。深田自身は人に会うのと避けて登山するタイプで、これらの風潮は歓迎しなかったと言われている。