野分の意味 登山用語

野分(のわき)

野分とは、秋の台風のことを、古くは「野分」と呼んでいた。暴風が野を分けるように吹くことから野分と呼ばれていた。以降は台風について説明していくことにする。

現在は気象予報の精度が向上しているので、台風が発生した場合、どこをいつ通過するか、が事前に把握できるようになっている。前もって立てていた登山計画の予定日が台風の上陸日とぶつかることもあるだろう。台風は速度が一定ではなく、海上から陸地に上陸すると速度が落ち、また、台風の進路は季節風に影響される。気象情報の精度が上がっているとはいえ、自然現象を前にして完璧な予報というものはない。登山計画の山の位置が台風の位置より離れていても、台風から吹きだされる強風は山まで届いている。尾根や山頂であればなおさらである。台風が近づいてくると風雨が強くなり、一瞬にして荒々しい自然になる。

台風通過後は、それまでの悪天候から一転して晴天になることが多いが、巻き返しの風(強風)が吹きだしており、また、山においては風雨によって地面がぬかるんでいで土砂崩れが発生しやすい状態になっている他、川や沢は増水して流れも激しい濁流になっている。無理して登山・下山しても遭難する確率が高くなり、救助関係者に迷惑をかけるだけになる。台風前後には決して山には行かないことである。