風穴の意味 登山用語

風穴(ふうけつ)

風穴(英語:Wind Cave)とは、風が通り抜ける洞窟のことという。風穴は日本だけでなく世界各地で見られるもので珍しいものではないが、夏期においても一定温度を保つことから天然の冷蔵庫として、日常生活に利用されてきた。

たとえば、風穴というと、富士山の鳴沢風穴が有名であり、他にも100ヶ所の洞窟があると言われている。富士山で見られる風穴には、溶岩洞穴と溶岩樹型の二種類がある。溶岩洞穴とは、流れ出した溶岩流の中(周り)が固まったもので、溶岩流は1000度と高温であり地上の空気に触れると急速に固まることによる。

溶岩樹型とは、溶岩流が木を包んだときに形成されるもので、木がなくなったあとも冷えて固まった溶岩はそのまま残るので、木肌などが溶岩に刻まれていることがある。溶岩は玄武岩であり、熱を吸収する性質がある。地上の温められた空気が洞穴内に入り込むと、玄武岩によって熱が吸収され、空気は冷やされるという働きが生じる。風穴内に発生する風は、この温度差からもたらされる風である。場所により風穴の温度の違いはあるが、冬季はマイナス2℃前後、それ以外のじきは0度前後であるという。風穴は富士山麓だけではなく、日本の北から南まである。