アンザイレンの意味 登山用語

アンザイレン

アンザイレン(ドイツ語:Anseilen)とは、滑落のおそれがある岩場や急な斜面で、仲間の相互安全確保のために、2人以上でザイル(英語ではロープという)で体を結びあい、1人が墜落した時に、他者がザイルを持って墜落を止める、ことを目的とした方法である。

結びあう仲間をザイルシャフトと呼び、アンザイレンしたまま2人同時に動く事をコンティニュアスといい、常に1人だけが移動し、他方が確保する、この繰り返しで登ることをスタカットという。安全確保の方法、他方が滑落時にどう対応するか、など事前にザイルワークに習熟する必要がある。19世紀後半のヨーロッパでのアルピニズム黄金期にこの方法が生み出され、日本には大正時代の末期に、欧米の近代登山技術の導入とともに取り入れられた。ちなみにザイルとはドイツ語のSeilから来ており、アンザイレンをする時の綱のことをさす。

現在は英語のロープという呼称が主流であり、ザイルとはあまり言われなくなっている。