フリー化の意味 登山用語

フリー化

フリー化とは、人工登攀で初登攀されたルートが、フリークライミングで初登攀されたときに「フリー化された」という言い方をされた。

1950年代、ヨセミテで起こったボルトなどをなるべく使用しない岩壁を傷つけないクリーンなスタイルでのクライミング「フリークライミング」が提唱されはじめ、それに賛同するクライマーが増えていた。同じ頃、1950年代の日本では、日本山岳会によるヒマラヤ登頂といった高所登山が目指される傾向にあったが、社会人山岳会による岩壁登攀が主流となり、この頃に岩壁登攀のルートが開拓されはじめた。これが人工登攀でのルート開拓である。

人工登攀によるルートが開拓されつくし、閉塞感が漂っていたころ、1980年、谷川岳一ノ倉沢コップ状岩壁正面壁雲表ルートが戸田直樹・加藤泰平によってフリー化された。これ以来、難関ルートは次々とフリー化されていき、先進的なフリークライマーたちに支持されていった。このフリー化は山岳登攀を主にしていた人たちでもフリークライミングを行い、結果的にフリークライミングのレベルを押し上げることになった。