鞍部の意味 登山用語

鞍部(あんぶ)

鞍部とは、山の地形を表わす言葉の1つであり、山の尾根がくぼんでいる、あるいはたわんでいる、部分のことであり、その地形が「鞍」に似ていることから鞍部とよばれている。

鞍とは人間が馬に騎乗する際に馬の背中に載せる道具のことである。鞍部は峠、乗越(のっこし)といった言葉と並んで使われる。ただ、峠は鞍部と似ているが全く同じではない。峠とは山道で坂を登りきり、下りに転じる場所のことである。峠は尾根の低くなった場所にあるが、既述したように盛り上がっているところや山の名前に使われることもある。登山用語としての峠は狭い範囲の意味で使われるが、日常生活での峠はより広い範囲で違った意味で使われていることが多いので、混同しないように注意する。

乗越も似たような意味であるが、やはり全く同じではない。峠は必ず道があるが、乗越は道はないが越せないこともない、という場合に使われる。なお、英語でサドル、ドイツ語でザッテル、フランス語でコルと呼ばれるが、最近はコルとも言われることが多い。