分水嶺の意味 登山用語

分水嶺(ぶんすいれい)

分水嶺とは、降った雨は、山の稜線を境目としてそれぞれの方向に流れていき、やがては源流となり、下流域にいくにつれて大きい川となる。この稜線(尾根)のことを分水嶺と呼ぶ。

日本列島の場合、まるで列島の背骨のように日本列島の中心に山脈が途切れることなく連なっており、これを中央分水嶺と呼んでおり北から南まで約5000kmもの距離になる。この中央分水嶺を境に日本海側と太平洋側に分かれ、またそれぞれ異なる気候を形成している。

近年は環境保護、自然保護の認識を広める観点から、「分水嶺トレイル」が各自治体または各団体主催のもと山岳ガイド同行で、各地で行われるようになってきている。分水嶺は尾根とはいえ、すべての稜線に登山道が整備されているわけではない。山頂を目指す、名峰を目指す登山スタイルとは異なる楽しさが味わえる。

なお、日本山岳会が2005年10月6日に設立100周年を迎え、記念事業として中央分水嶺踏査を行っている。各地にある支部の会員によってなされた実地踏査であり、道なき道を地図やGPSを使用しながらの調査であったといわれる。日本山岳会に所属している会員たちはみな登山者としてレベルが高いからこそできた計画である。調査結果は国土地理院に提出され、新たな地図作成にも協力を行っている。