一本立てるの意味 登山用語

一本立てる

一本立てるとは、休憩あるいは小休止をとることをいう。「いっぽん」と省略して使われるときもある。もともとは、ボッカが休憩時に荷物を降ろさず、荷物の下に杖をあてて荷物を浮かして、立ったまま休憩を取った様子に由来している。

なお、ボッカとは山小屋に食料や水などの物資を運搬する人の事で、背中に負う荷物の重量はさまざまであるが、背丈を超える大荷物で、中には100kgを超える荷物を運び上げる人もいる。ボッカさんは運搬中は休憩時に荷物を一旦下ろしてしまうと、再び背負うのが大変なため、立ったまま、あるいは、ボッカ専用の休憩所があり、そこに荷物をかけて休む、などしている。

現在ではある程度の重量のものはヘリコプターで運んでいるが、経費が相当かかることと、悪天候時にはヘリコプターが飛ばないため、今でもボッカに頼っている山小屋は多い。山小屋の従業員あるいはボランティアの方がボッカをしているが、誰でもできるわけではなく、訓練が必要である。