峰走りの意味 登山用語

峰走り(みねばしり)

峰走りとは、春先には新緑が麓から山頂へ上がっていく様子、秋口では紅葉が山頂・稜線から麓へ下りていく様子を表わしたもの。白神山地の「峰走り」が有名である。

白神山地では、春になり雪解けの頃を迎えると、ブナの枝の氷が融けて新芽が芽吹き始めると山頂へ向かって新緑が広がっていく。この速度は1日に10mと言われ、まさに山頂へ向かって駈け上がっていくかのような早さである。秋になると、春には山頂へ駆けあがっていった緑が今度は紅葉や黄葉となって麓へ下りてくるのである。登山では新緑の峰走りが一巡すると、登山シーズンが始まる。

春先の登山は柔らかい新芽に囲まれ、肌寒さは残るもののフレッシュな気分になる。秋は紅葉の峰走りが始まると本格的な秋の到来と冬が近いことが予測できる。秋の登山も寒さは感じるものの、新緑とは違ったものがある。それぞれの季節の景色を楽しむのも登山の醍醐味の1つでもある。春はまだ冷え込んで寒い日もあれば、秋も錦秋と降雪が一緒になる場合もあるので、それ相応の登山装備で臨む。