胸突き八丁の意味 登山用語

胸突き八丁(むなつきはっちょう)

胸突き八丁とは、急な登り道のこと。もともとは富士山登山において、山頂まであと八丁(丁が109m、八丁で872m)の登り道が最もきつく、胸を突かれたように息が乱れることから、胸突き八丁と言われるようになった。つまり山頂が見えてきてあともう少しというところが、これまでの登山で体力を消耗しているので傾斜がよけいにきつく感じられ、もうひとふんばり所、ということである。

富士山以外の山でも登りがきつい道にはこの言葉が使われている。この胸突き八丁は地名として登山道についている場合もあれば、きついと思う度合いは人によって感じ方が異なるが、その人が一番きついと思う場所が胸突き八丁なのである。登山以外では、物事を成し遂げる過程において、目標達成直前の一番苦しい時、踏ん張りどきを胸突き八丁というようになった。登山においてもプロジェクトにおいても、山頂またはゴールがまだ見えていない時点では夢中になって進んでいるが、ゴールが見えてくると更に苦しく感じやすい。