メイストリームの意味 登山用語

メイストリーム

メイストリームとは、名前のとおり、5月にやってくる低気圧のこと。5月はゴールデンウィーク前後から比較的天候が安定して、温かい好天が続くことがあるが、条件が揃うと、強い低気圧がやってくる。その発生メカニズムは、前線をともなった低気圧が日本海で発生し南から温かい湿った空気が低気圧に流れ込むことで、その低気圧が急激に発達して台風並みの規模になって日本列島にやってくる。

1954年5月9日〜10日に北海道の東海上で発達した低気圧の影響で、当時漁に出ていたひとたち約361人が犠牲になった海難事故が発生している。この低気圧の移動スピードは速く、たとえば、午前中は晴れて良いお天気だったのに、午後になったら突然大雨・暴風になり海は大荒れになることもある。5月の登山の場合、低気圧通過前は温かく湿った空気の影響で積雪がある場合は全層雪崩が発生しやすく、低気圧通過後は一転して大雨・暴風で登山が困難になり、更には気温が急激に低下するので低体温症を引き起こしやすい。

事前の天気予報で把握しておくのはもちろんのこと、登山中に雲行きが怪しくなったらただちに下山し、もし降ってきたら、安全な場所で留まり体を風雨にさらさないようにする。