モレーンの意味 登山用語

モレーン

モレーンとは、氷河が移動する際に、氷河自体の重みによって氷河の底(地表)や周り岩壁などが削りとられることで岩石・土砂などが作り出されて、それらが堆積してできた地形のこと。これらの堆積物の堆積場所によって名称が付けられている。

日本では槍ヶ岳の大槍モレーン、南アルプスの仙丈ヶ岳の藪沢モレーンが挙げられる。また、氷河の後退(※)によって、氷河とモレーンが切り離されると、その中間にくぼみが形成され、氷河から溶けた水がくぼみに流れ込むと、氷河湖が形成される。岩石・土砂の堆積物で形成されているモレーンはもろく限界度を超えると、モレーンが崩壊し、氷河湖の決壊を引き起こし、下流へ洪水をもたらす。実際に氷河湖決壊洪水は発生しており、氷河がある山では氷河湖が存在し、山の麓の村がダメージを受けている。氷河湖が決壊するきっかけは、地震や火山活動などによる地殻変動が原因でモレーンにひびが入り決壊するという。

※氷河の後退…氷河が融けることで氷河自体の面積が小さくなること。近年では温暖化による気温の上昇が氷河の縮小を招いている。