モンスターの意味 登山用語

モンスター

モンスターとは、冬季になると針葉樹が樹氷(または雪)に覆われて怪物(モンスター)のように見えることからそう呼ばれている。樹氷自体は条件さえ整えば、世界各地どこにでもできるが、樹氷がモンスターを形成するためにはいくつかの絶対条件があり、どこでも見られるものではない。

【1】アオモリトドマツ(学名:オオシラビソ/Abies mariesii/亜高山帯の針葉樹林の代表種)が植生していること。常緑針葉樹は冬でも葉を落とさないので氷雪が着氷しやすい。【2】降雪があること。【3】気象条件が西高東低の強い冬型低気圧で強い西風が吹くこと。【4】常緑針葉樹林が山の斜面の西側にあること。

この4つの条件が揃うと、樹氷が形成される。樹氷がモンスターを形成する過程は、「着氷」→「着雪」→「燒結」のプロセスが繰り返されることで、木にできあがった樹氷がどんどん大きくなり、モンスターのような形になる。

モンスターを近くでよく見てみると、「えびの尻尾」と呼ばれる樹氷が幾重にも重なったものであることが見て取ることが出来、10cm前後の厚さを形成している。触るとすぐに壊れてしまうほど、見た目に反して脆いのである。日本では、蔵王(山形県)や八甲田山(青森県)で見ることができる。