ヤマタンの意味 登山用語

ヤマタン

ヤマタンとは、富山県警山岳警備隊が作り出した「山岳遭難者探索システム」のことでヤマタンとは略称である。剱岳・立山連峰方面への冬期登山者には、微弱電波を発信する機器(発信機)を無料で貸出している。

この送信機は500円硬貨ほどの大きさのペンダントになっており、周波数53MHzの微弱電波を送信し続けるもの。遭難時には、ヘリコプターで上空から探索し、この発信機から出る電波をキャッチして、遭難者の位置を特定するもの。300mの範囲で発信機からの電波をキャッチできるといわれている。このシステムは1988年に開発・運用され、現在は、富山県山岳対策協議会、警察本部(山岳警備隊)、上市警察署馬場島警備派出所などで貸出している。

ただ、電波状態が弱く、受信者(捜索側)で位置特定するまでに時間がかかることもあり、現在、新しいヤマタンの検討・開発が行われている。なお、近年では冬期登山者は自ら雪崩ビーコンを携帯している人も増加しているので、遭難者の周囲にいる人たちによる即時救助ができるようになってきている。