山旗雲の意味 登山用語

山旗雲(やまはたぐも)

山旗雲とは、山の稜線から旗のようになびいている雲のことをいう。山麓や山腹から這い上がってきた霧状の雲が山稜の風に吹き流されることで、この現象が見られる。旗雲(はたぐも)ともいう。層雲の一種である。

上空で強風が吹いているとき、風下側では山の斜面にそって気流が上昇していき(上昇気流)、山腹から山頂付近にかけて上昇気流が雲となって風に吹かれて流れていく。ある程度の標高がある山では条件がそろえば山旗雲は見ることができる。旗雲のなかで最も有名なのが「豊旗雲」だろう。雲にはいろいろな名称がつけられているが、豊旗雲は最も素晴らしい雲の一つとされており、万葉集の詩にも読まれているほど、古代から人々の心を打つ壮観な様子だったことがうかがえる。

豊旗雲とは、旗がなびいているようにみえる空にかかる美しい雲の様子をいう。これら平地で見られる旗雲と区別するために、山旗雲と呼ばれている。なお、山旗雲が見られ、なおかつ水平に流れている場合は、風がかなり強いことが遠くからでも分かる。