雪形の意味 登山用語

雪形(ゆきがた)

雪形とは、春から夏にかけての残雪期で雪が融けて地肌が見え始めてきた頃、地肌と残雪の様子が何かの模様に見えることから雪形と呼ぶ。雪形の名前がそのまま山名になっているものもあれば、農作業の開始時期の目安になったものもあれば、ただ単に雪形の形が何かに似ているだけのものもある。

代表的な雪形として、白馬岳の代馬(しろうま)または代掻き馬(しろかきうま)、爺ヶ岳の種蒔き爺さん、常念岳の常念坊、蝶ヶ岳の蝶、木曽駒ヶ岳の駒などがある。これらは雪形がそのまま山名になっている。全国各地に駒ヶ岳と名付けられている山は多いが、駒とは馬のことである。

雪形から山名がついていないが有名なのは、五竜岳の武田菱(武田信玄の武田家の家紋)、鹿島槍ヶ岳の鶴と獅子、木曽駒ヶ岳の駒と島田娘、などが挙げられる。ひとつの山でひとつの雪形ではなく、複数の雪形が見られる。残雪期の山ではこういった雪形が見られるので、登山の際に探してみてはいかがだろうか。