雪煙の意味 登山用語

雪煙(ゆきけむり)

雪煙とは、積雪した雪が風によって飛ばされ、煙があがっているように見えることから。遠くからこの雪煙が見える場合は、麓は風が弱くても山頂・稜線付近は強風が吹いていることが分かる。

場所によって異なるが、雪煙があがる時の風はだいたい風速8m/s以上からになる。積雪表面が新雪だとなおさら風で飛ばされやすい。夏山に比べて冬山は強風が吹きやすい季節でもあり、また、山が連なっている山脈と周囲の山から離れている独立峰では風の向きが異なる。特に独立峰では比較的風が弱いルートから登るが、それでも山頂付近に近付くにつれて風が巻くようになり、その日の気象状況によっては、比較的風が弱いルートであっても風に吹きつけられることがある。

たとえば、富士山は独立峰であるが、冬の富士登山はエベレスト並に難しいとされるのは、独立峰ならではの風の向きと、常に風にさらされているため積雪表面がガリガリに凍結しており、アイゼンもアイスピッケルも刺さらないほどの硬さで、アイスクライミングの氷よりも硬いとされる。プロの登山家でも、富士山麓の時点で強風が風速20m/sを超える場合は、登山を中止するという。