雪代の意味 登山用語

雪代(ゆきしろ)

雪代とは、雪が融けて川に流れ込む水のこと。雪代水ともいう。春から夏にかけて、雪が融けて川へ流れ込むと川の水は増水して川の水温が下がる。「雪代が出た」という表現もあり、春先の急激な気温上昇に伴う融雪で土石流が発生することをいう。

雪代という言葉は東北地方や関東地方、静岡で使われている。富士山ではたびたび雪代によるスラッシュ雪崩による土石流が発生し麓の村々を襲っている。スラッシュ雪崩とは、積雪がある富士山麓に大量の雨が降ると積雪は水分によって緩み、これが底雪崩あるいは表層雪崩となり下へ流れ落ちる。

富士山の積雪期は11月〜5月で、1〜2月は低所で、11〜12月、3〜5月は高所から、発生する。気象条件・発生場所などの条件が重なると大規模な土石流になり、甚大な被害が発生する。高所で発生するほど、斜面の傾斜により、勢いを増して雪がないところまで到達することがある。富士山周辺では噴火に備えてハザードマップが作成されており、大規模土石流の場合、想定被害地域と重なる可能性があると言われている。