レイヤリングシステムの意味 登山用語

レイヤリングシステム

レイヤリングシステム(英語でlayering system)とは、簡単に言えば「重ね着」のことである。天候・気温に応じた衣類調節機能であるが、夏山と冬山で若干の素材の違いはあるが根本的には同じである。

このレイヤリングシステムはアウトドア各社共通しており、肌側から「ベースレイヤー」「ミドルレイヤー」「アウターレイヤー」と呼ばれ、それぞれのレイヤーに共通する要素は「水(水分)」である。アウトドアにおいては、すぐに着替えができるスポーツであればともかく、登山においては、簡単に着替えなどできるものではないので、いかにして体を水に濡らさないようにするか、が研究開発されてきている。

まず、「ベースレイヤー」は肌に直接触れるウェアであり、「吸汗・保温性」機能が中心になる。汗をすばやく吸収してかつ衣類を乾いた状態に保つことを目的とし、速乾性のある素材が使用される。「ミドルレイヤー」は中間に着るウェアで、「保温、通気性」機能が中心になる。保温性の確保がメインになり、かつ汗を透過させて乾いた状態を保つ素材が使用される。「アウターレイヤー」は一番外側に着るウェアで、「防水・防風性」機能が中心になる。風雨雪などから体を守り、かつ汗は外に逃がすしくみがもとめられ、GORE-TEXなどの透湿防水性の素材が使用される。夏期はレインウェアで、冬期はダウンなどの中綿入りのアウターになる。