ウインドスラブの意味 登山用語

ウインドスラブ

ウインドスラブとは、雪崩を引き起こす自然現象の1つである。降雪時に強風が吹くと吹雪となり吹き溜まりを形成するが、この吹き溜まりが強風によってさらに広範囲に吹き広がり一枚の板状に形成されたものである。

ウインドスラブを形成する雪は風に飛ばされて粒子が細かくなっており、他の雪の粒子と一緒になったときは一旦溶けて再結合するが、数日間かけてスラブ化(※)したものは安定化するのである。ところが、このスラブが不安定が状態の時に、何らかの衝撃が加えられると、表層雪崩を引き起こす原因になる。雪崩を引き起こす外的要因の1つに、人間が引き金となる場合があり、人間の周囲全体から崩れるようにして雪崩が発生する。

雪崩にもさまざまな区分があり、ウインドスラブによる雪崩は「面発生乾雪表層雪崩」に区分される。ウインドスラブは風下側の稜線や沢状地形内、木がまばらで風が抜ける場所、など基本的に風が抜ける場所に形成されることが多い。気象情報を常に確認し、強風が吹いた直後などはウインドスラブが形成されている可能性があることを認識しておく。

[補足]
※ スラブ化…ある表面の一定面積が一枚の板状になることをいう。