1年間の契約社員も年次有給休暇を取得できる

1年間の契約社員も年次有給休暇を取得できる

右肩上がりの高度成長時代、と言われた昭和の半ばでは正規雇用のサラリーマンが一般的な働き方だったのに対し、平成不況と言われるここ20年ほどは、期間を定めて働く契約社員や派遣労働などの働き方が増加する一方となっています。雇う側の立場としては、「人件費は抑えたいが、人材は確保しなくてはならない」という実情の中で、仕方なくとらざるを得ない、緊急手段なのかもしれません。

さて、そんな期間契約社員として1年間の労働契約を結んで働いている場合でも、有給休暇は取れるものなんでしょうか?

労働基準法の有給規定は、原則として

@勤務開始から6か月以上、継続して働いていること
A6か月間の労働日(カレンダー上の日付から、休日を抜いた日数)の、8割を超える日数、勤務していること

の2点をクリアすれば、「有給が発生する」と定めています。
パート、アルバイト勤務や、変形労働時間制の場合などで、いくらか異なる条件が付いてくる場合はありますが、「期間社員には与えなくて良い」「パート、アルバイトには与えなくてよい」といった規定はありません。

ですから、期間契約社員であっても、勤務開始から6カ月間、欠勤なく働いていれば、有休が発生する、ということになります。

これは登録型派遣労働者でも同じです。ただし、年次有給休暇を申し出て、与えるのは、派遣先の会社ではなく、派遣元になるところがちょっと違います。また、派遣労働者の場合、「登録はしているけれど派遣先がない」という待機期間があります。この期間が1か月未満で、次の派遣先が決まって続けて仕事に就いた場合は、待機していた空白の期間も有給の計算上は勤務していたものとして取り扱われます。

また、契約期間が1年未満であっても、契約更新で勤務した期間が6カ月を超えており、更にその後も勤務が継続することが見込まれるような場合なども、勤務実態に合わせて有給が与えられるべきという判断がされる場合もあります。