休憩時間を分割して取るのは合法?

休憩時間を分割して取るのは合法?

休憩時間について、労働基準法では、「6時間を超える労働について45分、8時間を超える労働について60分」と定めています。これを、分割して、「食事に30分と、トイレ休憩15分」とか、「タバコ5分、昼食50分、タバコ5分」といった風に分割して与えた場合、違法になるのでしょうか?

労度基準法では、「休憩時間は一括して与えなくてはいけない」と定めた条文はありません。ですから「休憩時間を分割して与えること」そのものは、禁止されてはおらず、合法、ということになります。

しかしながら、その実態が「休憩」と呼べるものでなかった場合は、「休憩を与えていない」という判断がなされる場合があります。

例えば、仕事中にトイレに行った時間をストップウォッチで計測し、その分休憩時間として計測して、本給から差し引いたりするような方法は違法です。工場などでは、生産ラインを止めないために交代で時間制でトイレを使うような決まりにしているところもありますが、その場合は、36条協定にて、その旨が決められていなければなりません。更に、「他で法規の分だけ休憩を与えた」ということを理由に、減給することは違法です。

また、休憩時間の与え方でしばしば問題になるのは、「お客さんが来たら休憩終了」とか「電話番」といった、「手待ち時間」を休憩とすること。休憩は業務から完全に離れて、労働者が自由に使ってよい時間として確保されていなければなりません。たとえ、「もし、かかってきたら」「もし、誰か来たら」であっても、仕事のために待機していることには変わりありませんから、それでは、休憩を与えたことにならないのです。

また、いくら「分割しても違法ではない」といっても「5分づつ10回に分ける」では、食事も落ち着いて摂れません。ゆっくり仕事から離れて休むこともできなでしょう。休憩は、業務から一時的に離れて心身を休めるための時間ですから、このような「休憩」の趣旨から大きく外れるような分割の仕方は、実態上「休憩を与えていない」と判断される可能性があります。