休憩時間は労働時間の途中に与えなければいけない

休憩時間は労働時間の途中に与えなければいけない

労働委準法では休憩について、いくつかのルールを定めています。その一つが「休憩の長さ」であり、8時間労働の場合は、最低1時間、6時間を超えて8時間未満の場合は、最低45分の休憩を与えるようにと定めています。

そして、もう一つが「労働時間の途中に与えなければならない」というルールです。

これは、具体的に「8時間労働であれば〇時間目に」といった、詳細な取り決めまではされていません。また、分割して与えてはいけない、という決まりもありません。ですから、勤務時間帯のどの時点で与えても良いですし、何度かに分けても良い、ともいえるのですが、「休憩」という趣旨から大きく外れない程度の配慮は当然に求められます。

例えば、朝8時から夕方5時までの勤務で、昼休みナシ、夕方4時から5時までに休憩を与えたのでは、労働者は朝から夕方まで飲まず食わずで働き通しで、1時間早く仕事を終える、という状況になります。これでは、休憩を与えたとは言えません。夕方でなく、朝に持って来ても同じことです。

では、途中で与えるから、分割しよう、と、5分づつ、12回、均等に分けて休憩を与えたのでは、落ち着いてゆっくり休めません。業務に集中するあまり、休憩を取り忘れることも出てくるでしょうし、休憩確保のために、40分ごとに業務を中断するのでは非効率的です。休憩時間は、完全に業務から離れ、労働者が自由にして良い時間です。この与え方では、食事もおちおち食べられないし、家庭の必要で細々した用事をこなしたりもできません。

こういった実情を考えて、多くの事業所では、昼の時間帯に昼食を含めて休憩を取れるようにしています。休憩は事業所ごとに一斉に与える、というというルールもありますから、原則的に、事業所内の労働者は一斉に業務を離れて、休憩にはいること、という形態が基本になります。変形労働時間制では、休憩時間の取り方が変則的になる場合もあります。また、接客業の場合は、一般事務とは休憩時間をずらして取るような工夫で、業務時間に影響が出ないような工夫をしているところも多いようです。