会社は労基法で定められた休憩時間より多く設定しても違法じゃない?

会社は労基法で定められた休憩時間より多く設定しても違法じゃない?

労働基準法は休憩時間について、「8時間を超える労働については1時間、6時間を超え8時間未満の労働については45分を与えること」と定めています。しかし、身の回りをよーく見ると、「休憩1時間」という会社がちょくちょくあります。昼休みは1時間だけど、その他に任意でタバコやトイレのために5分休憩を2回とっていいよ、なんてルールになっている会社もあるようです。そうすると、これらのケースは 休憩時間が70分ということになりますね。

また、6時間労働のパートであっても、8時間労働の正社員の人と同じだけ昼食の休憩を取っても構わない、というスタイルの会社もあります。この場合は、6時間労働の人が、法律上の規定である45分よりも、15分長く休憩を取っていることになります。

「休憩時間は1時間のはずなのに、それ以上与えても構わないの?」という疑問が浮かんできそうですね。

農林水産業や建設業では、午前10時と、午後3時にお茶の時間が設けられているところもあります。酷暑期は、1時間に10分の休憩をはさむ場合もあります。これも、休憩時間の総計をみると、明らかに労働基準法に照らして長いということになります。

まず、休憩時間を長めに与えることそのものは、それだけで労働基準法に違反するということにはなりません。休憩時間を本来よりも長く取れば、それだけ労働のための拘束時間は長くなります。しかし、この件について、労働者と雇主の間で十分な話し合いや両方の合意があり、更に、休憩時間が、十分な機能を果たしているならば、「時間が長い」というだけで即違法ということはいえません。例えば、酷暑期に屋外で建設業などの重労働を行う場合は、熱中症予防などの安全衛生上の配慮から、給水のための休憩時間を設けたり、作業時間をずらすことは適切な処置といえます。

反面、運送業や郵便事業などの場合においては、一定の条件を満たす場合、休憩時間を一切与えない旨の契約が認められている場合もあります。労働基準法41条では、農林水産業の場合や、監督・管理の地位にあるもの、機密の事務を取り扱うもの、使用者が所轄の労働基準監督署長の許可を受けていて、有害物質・危険物を扱う業務、プラントの監視員、道路での交通誘導員、などの「監視業務」を行う場合、断続的に業務に従事する場合は、労働基準法の休憩に関する適用除外と定めています。