ちょっと疲れたからって勝手に5分くらい休憩してはいけない?

ちょっと疲れたからって勝手に5分くらい休憩してはいけない?

「勤務中に、ちょっと疲れたら5分ぐらい休憩していたら怒られた。」「休憩ついでにトイレに行って、5分くらいで席に戻ったら、先輩から注意された。」

仕事の途中で5分ほどの休憩を取ることは禁止されているのでしょうか?

あちこちの相談サイトや質問掲示板などを覗いてみますと、こうしたお悩み相談は、休憩したい側(怒られた・注意された)も、休憩された側(怒る、注意する)も、半々くらいでいらっしるようです。

例えば5分ほどの休憩が、トイレ休憩であって、2時間に1回程度のものであれば、大部分の職場で問題になることはあまりないと言えます。例外的に監視員に代表される「目を離すことで重大な事故が発生する恐れがある職務」「流れ作業の製造現場で一人抜けることで作業全体に影響が起こる場合」などは5分程度と言っても勝手に席を外されると大変なことになる可能性があります。

しかしトイレは生理現象に伴うものであり、これをむやみに禁止するのは労働者の健康を損ねる原因にもつながります。女子の場合は月経時などは更に頻回に用を足しに行く必要がある場合もあるでしょう。これらのことは、労働者が努力して改善できることではありませんから、使用者側の方が「トイレに中座しても業務に支障が生じない対策」を講じて指導しなくてはなりません。例えば、保育士などのような立場の場合でしたら、二人以上を配置して、一人が中座するときは応援を呼ぶなどのルールを設けて必ず、監視体制を維持できるようにしていますし、工場などの流れ作業では、時間を決めて、交代でトイレを使うような仕組みを取り入れています。

これ以外の一般事務職に代表されるデスクワーク、小売店や飲食店などの接客業、機械工などの業務については極端な支障が生じるということは考えにくいでしょう。反対に、流れ作業の仕事でも手洗いに中座した時間をストップウォッチで計測して休憩時間から差し引き、一定回数を超えたときに罰金を徴収した事例では裁判で違法性が指摘されています。

しかしながら、注意する方にもそれなりの理由があることがほとんどです。無断でフラリと中座したまま、30分もトイレに立てこもっていたり、1時間に二度三度と手洗いに立ったり、1日のトイレ時間の合計が1時間半にも及ぶようだと、「いったいどうなっているのだろう?」といぶかしく思いますし、毎日だと、さぼっていると思われても仕方ありません。小休止やタバコ休みなど、事業所ごとにルールを設けているところでは、上司の指示を守りながら休憩を取る方が望ましいでしょう。