深夜労働って何?その適用範囲

深夜労働って何?その適用範囲

「深夜族」と呼ばれる、夜遅くまで活動している人が増加するのに並行して、そうした人の利用を狙った、24時間営業のコンビニや、飲食店、ネットカフェ、映画館など、深夜になっても営業しているお店が増加しています。また、医療関係、介護福祉施設などの介護関係で勤務されている方の中には、夜勤があるところもあります。製造業では、3交代制勤務などで、24時間工場が動いているところもありますし、運輸業では、夜間の交通量が少ない時を狙って輸送を行う長距離トラック、夜行バスの運転なども深夜の労働が必要になります。身近な仕事では、新聞配達員も、夜が明ける前の、真っ暗な時間から仕事を開始して働いています。

これらの仕事のように「夜10時以降、朝5時まで」の時間帯で労働した場合を、労働基準法37条では「深夜業」と規定しています。俗に言う「深夜勤務(夜勤)」「深夜労働」とも呼ばれます。

深夜労働は、どんな職業でも認められるという訳ではなく、厚生労働大臣が必要であると認める場合に限って許可されるもので、午後11時から午前6時までと定められている地域もあります。

また、労働基準法には、原則、18歳未満の未成年者については深夜業を禁止しています。妊産婦さんや、産後1年未満の女性についても深夜業はさせてはいけない決まりとなっています。一昔前までは、女性の深夜業は看護師や助産師、キャビンアテンダントなどを除いて、深夜労働は禁止されていました。しかし、男女雇用機会均等法の改正によって、18歳以上の女性も深夜労働ができるようになりました。とはいえ、安全上の問題から、社内規定として、深夜労働の時間帯は男性シフトとしているところも多いようです。

そして、この時間帯に働く場合は、「深夜労働手当」という割増賃金を支払うように定めています。労働安全衛生法では、常時500人以上を置く事業所については、深夜業をさせるに当たり、産業医を常駐させることを定めており、6か月に1度の健康診断を義務付ける、といった、一般労働者よりも厳しい制限を設けることで、深夜労働によって労働者の健康が損なわれることが無いような措置も取られています。