始業前、終業後の制服に着替える時間は労働時間?

始業前、終業後の制服に着替える時間は労働時間?

ウチの会社は制服着用義務、着替えは社内の決められた更衣室(ロッカールーム)でしなくてはならなくて、出退勤は私服。だけど、「タイムカードは、制服に着替えてから押すように。」となっていて、制服に着替える時間が労働時間にカウントされていない。それなのに、着替えに手間取って、タイムカードを押すのが遅れれば、遅刻扱いで罰則が。

「会社が制服に着替えるように決めているのに、どうして労働時間にカウントされていないの?制服に着替えている時間も労働時間に入れるべきなんじゃないの?」
不思議に思って上司に質問しても、「就業規則でそのように取り決めされているんだから、仕方ないだろう。」という反応。これって本当に合法でしょうか?

制服に着替える時間については、その条件で、労働時間に入るか入らないかが変わってきます。その、判断ポイントは、「使用者(雇主)の指揮命令下に入っているか、否か?」です。

「制服で出社してもいいし、極端な話車の中や、会社のトイレで着替えてもいい。」と、着替える場所の自由を与えている場合、これは、指揮命令下にいるとは判断できません。従って、この場合は労働時間には入りません。制服を着て出勤していたとしても、着替えは自宅を出るときに行われているのですから、分かりやすいですね。

反対に、「着替えは必ず会社の更衣室で行うこと。」と決められている場合、これは、「着替える場所を指定している。」という意味で使用者の指揮命令の元に更衣をしている、と判断されます。この場合は、労働時間に制服に着替える時間も含まれることになり、出社と同時にタイムカードを打刻してから、着替えをするのが本当でしょう。

遅刻や罰則規定について例えば就業規則で取り決めがあったとしても、本来、労働時間として計上すべきものをカットしている時点で、労働基準法違反になります。法律違反を原則とした就業規則は、労働基準法の定めにより、認められません。ですから、着替えが終わってからタイムカードを押すという条件はたとえ就業規則に記載されていても無効ということになります。