母性保護の労働時間規制

母性保護の労働時間規制

共働きが当たり前になってきている現代ニッポンの社会状況。結婚はもちろんのこと、妊娠、出産を挟んで仕事を続ける女性は増え続けています。

かつては、女性は結婚したら家庭に収まり仕事は退職すべしといった気風が強く、妊娠中も働き続ける女性に対しての配慮も十分ではありませんでした。しかし、共働きで仕事を続ける女性が増え、それに伴い妊娠、出産を挟んで子育てをしながら働き続ける環境整備の必要性も認識されるようになってきて、新たに様々な制度が誕生しています。例えば出産や産後、育児のための育児休暇などもその一つですし、労働時間についても、同様に、女性の妊娠、出産、子育てに関する配慮を目的としたものがあります。それが、「母性保護規定」と呼ばれるものです。

労働基準法では、法律上の細かい規定を明示しています。そのうち、66条、67条では特に労働時間についての取り決めを具体的に決めています。

まず、妊産婦の労働について、66条では、変形労働時間制の適用について一定の制限を設けています。妊産婦は変形労働時間制で働く場合、1日および、1週間の法定時間を超えて働かせることはできない決まりになっています。これは、妊産婦側から請求がった場合適用されます。

更に、妊産婦は、時間外労働、休日労働、深夜業についても制限があります。妊産婦からの請求があった場合、雇主は、これらの勤務をさせることはできません。つまり、妊産婦は、時間外労働、休日労働、深夜業を断ることができるということですね。

また、67条では、1歳未満の赤ちゃんを育てている女性について、1日2回、少なくとも30分の育児時間を請求することができるとしています。これは、具体的には託児所つきの職場などで授乳のために1日2回30分を、充てる、保育所への送迎時間などの利用ができます。母乳育児は赤ちゃんの健康にとっても、ママとのつながりを深めるためにもとても大きな効果がありますから、ぜひとも積極的に活用したいものです。

これらの規定に反した場合は、罰則も適用され、重要な規定として位置づけられています。