通勤手当は賃金(給料)に含まれる?

通勤手当は賃金(給料)に含まれる?

会社で働くためには通勤が必要になります。そのための費用は会社が負担することが多く、「通勤手当」「交通費」などの名義で支給されています。電車賃やバス代のほか、マイカー、マイバイクの人はガソリン代相当を支給してもらっているケースもあるでしょう。

本来、通勤に必要な費用は、雇主(会社)が負担しなくてはならない、と定められた法律はありません。ですから、通勤手当を支給するかしないか?いくら支給するか、は、各雇主の自由裁量で決めて良いことになっています。しばしば、「交通費も出してくれない!」と怒る方を見かけますが、これは、雇主側にしてみればオカド違いなんですね。

さて、この「通勤手当」は、賃金(給料)なんでしょうか?

「通勤時間は、働いているわけじゃない。労働時間じゃないから賃金じゃない。」
「仕事のために通勤しているわけだから、拘束されているのも同然だ。当然賃金にはいるだろう。」

なんて議論もおこりそうですね。
これは、残念ながら、どちらもハズレです。法律を見てみましょう。

労働基準法では、どんな名前で呼ばれていても、雇主が労働の対価として払うものは全て「賃金」とみなされるという決まりになっています。雇主が労働者に対して払うものは、賃金、給与、賞与、〇〇手当、など、色々な名前で呼ばれていて、それぞれに扱いが違うような印象がありますね。しかし、法律上はすべてひとくくりに賃金とみなされます。特に、労働契約や就業規則で規定されているものについては、「賃金として扱いなさい。」という国からの通達もされています。反対に言えば、「通勤手当を払うつもりなら、雇用契約(労働契約)や、就業規則にもちゃんと書いておきなさいね。」ということになります。

これは、通勤手当の支給方法には左右されません。
定期券や回数券を現物支給しても、定期券相当の金額を現金で渡しても、給料と一緒に現金払いにしても、一切無関係です。

ただし、通勤以外の交通費は別で、これらは賃金に含まれない場合もあります。