会社には賞与・退職金を支払う義務はない

会社には賞与・退職金を支払う義務はない

日本の多くの会社が、ボーナス(賞与)の支払いをしていますね。お盆、年末年始の物入りな時期に支給される賞与は、労働者にとってはとてもありがたいものだと思います。会社によっては、年3回とか、時期をずらしているところもあるようですね。この時期は、ボーナス商戦も激しくなり、それをアテに大型家電などを買い替える人も多いようです。

また、長く勤務してきて、いよいよ、定年退職、という時に、とても心強いのが、退職金です。職を退いた後の老後の生活資金の基礎として、いまから退職金がいくらくらいになるか?を考えながら、資産形成をされている方も多い事でしょう。

しかし、周囲を見回すと、「ウチはボーナスがない!」「退職金なんて出ない!」という声もあります。他の会社ではボーナスも退職金もあるのに、ウチにないのは違法じゃないのか!?と思って、「ボーナスを出してください!」と請求する人も実際にいるみたいですね。

でも、おそらくそういう請求をしても「うちは、規定がないから。」とアッサリと断られてしまう公算が大きいです。
「よそは出てるのにナゼ!?」と理不尽に思ってしまいますね。しかし、実は、賞与や退職金は法律上の制度ではなく、各事業所または雇主が、個々に自由裁量で決めている制度なんです。法律上の規定で、支払いを義務付けられているものではないので、払わなくても違法ではありませんし、当然、罰則もありません。

ただし、雇用契約書や就業規則で、賞与、退職金の定めがされている時は、話が別。この場合は、雇主が労働者に対して「賞与を払うよ」「退職金を払うよ」と約束して働いてもらってきたわけで、当然に雇主にはこれらのお金を払う義務が出てきます。約束した以上は、雇主が一方的に約束を破ってはいけないよ、というわけです。

労働基準法で決めている「払わなくてはならない手当」は、時間外労働、休日労働、深夜早朝の勤務等に関する「割増賃金」だけです。これらに関しては、違反をすると罰則対象になることもあります。