賞与の算定方法は事業主が自由に設定できる

賞与の算定方法は事業主が自由に設定できる

賞与とは、ボーナスのこと。日本の企業では一般的に、夏と暮れの年二回の支給が行われることが多いようです。古くは江戸時代などの年季奉公の際、夏と暮れには、奉公人が帰省するために、旅費の足しにするよう与えたという慣習に倣っているという話もあります。

さて、労働基準法では、雇主が労働者に支払うものは、どんな名目であっても全て「賃金」に含まれます。一方で、賞与については、その他の法律でどのようなものかを細かく規定しています。例えば、所得税法では「定期的に払われる給料とは別に、賞与、夏季手当、ボーナス、年末手当、期末手当などの名目で支給されるもの」としています。社会保険法では、「名目がいかなるものであるかを問わず、労働の対価として受け取るもののうち、年間の支給回数が3回以下のもの」としています。これを総合して考えると、「賞与」とは「毎月の給料とは別に、働いていることで、年、2,3回支払われるお金」ということになるでしょう。

さて、その「賞与」は、どのように計算されているのでしょうか。通常の賃金は、時給や月給(固定給)など、雇用契約をするときに決められた内容に沿って計算されています。これに対して、賞与については、各企業で算定基準がまちまちです。これは、賞与の支払規定は、労働基準法などでは定められておらず、雇主(事業所)の裁量で自由に決めて良いことになっているからです。賞与は会社に対する貢献度など、会社から見て良い業績を収めたことに対するご褒美的な意味も持っています。また、入社以降の業務内容、最終学歴などでも変わってきます。従って、同期入社の社員であっても、ボーナスの額に差があるということは、珍しくありません。

実際の賞与の算定は、普段の勤怠状況(つまり、遅刻、欠勤が少ないかどうか?)、勤務態度、普段の業務への取り組み度合いなども加味されています。これがいわゆる「ボーナス査定」といわれているもので、問題ばかり起こして、始末書の枚数が多いような社員は、当然に査定が下がる、ということになり、新規顧客を開発したり、新しいプロジェクトを成功させたりといった、会社に対する功績があると、査定が上がる、ということになるわけです。