懲戒処分の種類と意味

懲戒処分の種類と意味

懲戒処分とは、労働者が行った業務上の過失や故意、悪意の行為等に対して、懲罰として与えられる処分のことです。こういう言い方をするとややこしいですが、非常に大ざっぱに言えば「会社の罰則」だと思えば分かりやすいでしょう。小学校で宿題を忘れた生徒を教室で立たせておくように、仕事で深刻な失策をやらかした結果、会社に甚大な損害や信用失墜を引き起こした労働者は、その起こした問題の度合いによって、何らかの処分を受けることがある、ということです。

また、業務上の立場を利用して、不正なお金を受け取ったり、取引相手に個人的な要求や便宜を図ってもらう(つまり、わいろを受け取る)などの行為は、社会的信用を傷つけることになり、より重い処分を受けます。

学校で学生が与えられるペナルティーにも段階があるように、懲戒処分にも、その程度によって、段階的に軽いものから、重いものまで、いくつかの種類があります。その内容については、公務員の場合と、一般の民間企業に勤務する労働者では条件が異なってきます。

公務員の場合は、国や地方自治体によって法令で定められた懲罰の基準と種類に準じて、処分が与えられます。
重い順に

免職…簡単に言うとクビ。本人の意思に関係なく仕事を失わせること。
降任…現在の仕事より、1〜2下の等級や階級にすること
停職…期間を定めて仕事をさせないこと。出勤停止という場合もある。
減給…期間を定めて給料を減らすこと。
戒告…行った行為の責任追及をし、将来を戒める処分。具体的には、昇給、昇進などの査定が厳しくなる

このほか、訓告、厳重注意、口頭注意、など、比較的軽い失策について行われる処分もあります。

民間企業の場合、懲戒処分については、まず、就業規則によって労働者にあらかじめ周知させておかなくてはならない、という決まりがあります。就業規則に懲戒処分の記載がなく、抜き打ちでいきなり処分を行うことはできません。これらの手続きを踏まずに行われた処分については、無効として撤回がされる場合もあります。