労災保険とは

労災保険とは

新聞、テレビで時々ニュースになる「労災事故」。これをカバーする国の補償制度が「労災保険」です。

労災保険は「労働災害補償保険法」(略して「労災保険法」と呼ばれています)によって行われているもの。共済保険の会社で「〇労災」という名称の所があるため、民間保険会社の一つと誤解されていることがあるようですが、労災保険は、法律に基づいた国の制度の一つです。全ての労働者が対象となり(農林水産業など、一部の事業は制限あり)一人でも人を雇い入れているなら、加入手続きを取らなくてはなりません。

労働者が仕事をしている時に、不慮の事故に遭って怪我をしたり、仕事で扱う機器や薬品、および仕事をするうえでの強いストレスによって、心身の病気になることを「業務災害」と呼びます。また、仕事をするための往復の移動(つまり、通勤中)に、思わぬ事故に遭って、怪我をすることを「通勤災害」と呼びます。この二つをまとめて「労働災害」と呼んでいます。

労働災害が起こったとき、法律では、雇主側に労働者の健康と安全を守るための「安全衛生管理義務」に基づいて、雇主側に落ち度がなかったを調べるとともに、労働者に対して、治療のための休業中の補償をすることを義務付けています。もしも、これを全て会社側の自腹で補うとしたら、それは大変な負担になります。

仮に、会社側が労働者に対してこれらの義務を果たしてくれないとしたら、労働者が費用の負担を負ううえ、仕事ができない期間中は収入の道が途絶えることになります。これでは、労働者側にしてみたら、踏んだり蹴ったりということになってしまいます。

労災保険は、「通勤災害」「労働災害」による労働者の怪我、病気のとき、労働者、雇主(事業所)の経済負担を軽くし、同時に労働者が治療を受けている間、必要な保障を確実に受けられることで生活の不安を感じないで済むようにするために作られています。通勤災害では通勤途上の怪我、死亡事故、労働災害では、労働者が怪我や病気にになったときの治療費、死亡事故になったときの補償を受けることができます。