試用期間の労使関係

試用期間の労使関係

試用期間とは、会社が人を雇い入れるに当たり、その人の脂質や適性、性格、職場にうまくなじめそうか?などを見るために会社が設けた期間のことです。労働基準法では「試みの使用期間」とも呼ばれます。

使用期間中の労働者と使用者(雇主)との関係は、「解約権留保付労働契約が成立している」と法律的には解釈されています。漢字ばかりでややこしいですね、「解約権」とは、「労働契約を解約することができる権利」のことで、つまり、「雇うのをやめます」と断ることのできる権利ということです。「留保」とは、「ちょっと、一時停止をかけておく」という意味で、試用期間は、「解約をすることができる権利が、使用者側にはあるけれど、解約するかしないかについては、ちょっとのあいだ 一時停止してある契約」ということになります。雇用契約そのものは成立していますから、正規採用ではないものの、社員であることには変わりはありません。社会保険適用事業所であれば、事業主には社会保険に加入させる義務があります。(ただし、労働時間が所定の規定に当てはまる場合)

しかし、雇主側に採用するかしないかを決める権限があること(同時に、労働者側も退職する自由は認められています)および、「解約権」の存在により、雇主側が本採用拒否することのできる範囲は、通常の解雇と比べると、やや、広範囲に及んでいます。分かりやすい例が、「14日以内の本採用拒否には、解雇予告が必要ない」という決まりです。

試用期間は、労働者から見ると、正規採用ではないことから、非常に不安定な立場になります。待遇面でも、使用期間中は賃金などでも待遇が異なることも多いです。従って、試用期間はあまり長く取ることは望ましくありません。労働者側も、試用期間内に自己都合で退職することはできます。その場合は就業規則に従って手続きをしていくことになります。

稀に、短期雇用から正規雇用に切り替える約束をする形での試用期間を利用する会社があります。この場合は通常は、短期雇用が完了した段階で雇い止めを行っても問題ないところが、短期雇用の期間が試用期間と解釈されますから、正当な理由もなく、雇い止めをすることや、解雇予告を省くことは認められません。