内定ってどんな契約?

内定ってどんな契約?

就職活動真っ最中に、学生の皆さんが一喜一憂する「内定」の通知。「あの人は、何か所も内定をもらって悩んでるなんて羨ましい。私は、まだ1件も内定がもらえていない。」なんて悩みを呟く学生さんの隣で、「内定したのはいいけれど、本当に行きたい企業は落ちてしまった。複数決まっているところのどこに確定すればいいのやら。」と、頭を抱えている、なんて図もあるようです。

内定(内々定、と呼ぶ企業もあります)とは、平たく言えば、「合格通知」と同じ意味です。法律的な言い方をすると「雇用契約の予約」と言われています。企業側が応募してきた人に試験や面接をして、入社試験に合格したよ、というお知らせをしている状況ですが、この段階では、まだ、試験を受けた側から、「入社します」という意思表示がありませんから、企業側も、応募した側も、双方ともに、解約(企業側から見れば「内定取り消し」学生側から見れば「内定辞退」)を行うことができます。(これを「解約権」という)。内定は、相互に解約権のある労働契約の一種です。

解約の申し入れについては、学生側のほうが有利になっていて、「入社予定日の2週間以上前までの申し入れによって、辞退が可能」という決まりがあります。この段階までに、企業側は内定承諾書などの書類の提出を求めていることがあります。「承諾書をだしたら、辞退できないのでは?」と思われている場合も多いようです。承諾書を提出していても、法律上は、雇用契約は交わしていないことには変わりありません。従って、内定辞退は承諾書の提出に関係なく、「行うことはできる。」とされています。企業側にしても突然の内定辞退をされると人員確保の面で不都合も起こりますし、入社に向けて様々な準備をしていることでしょうから、マナーとしては、あまりギリギリまで放置せず、辞退するのであれば早めに連絡するのが、社会人としてのけじめと言えるでしょう。