法令で禁止されている解雇の種類

法令で禁止されている解雇の種類

解雇は雇主側の判断で、労働者の雇用を解約すること。労働者にとっては、飯のタネである職を失うことになるわけで、非常に重大な出来事になります。法律上、解雇には、「普通解雇」と「整理解雇」の2つがあり、後者がいわゆるリストラです。その他の解雇は普通解雇ということになります。

普通解雇にしろ、整理解雇にしろ、解雇された労働者は、翌月から生活に困窮することになります。経済状況によっては、蓄えがほとんどないなど、解雇の直後から生活に困り、公的な支援が必要となる場合もあり得ます。解雇は労働者にとって非常に大きな経済的な影響をもたらし、時には生存さえ脅かす危険があります。そのため、労働法では、みだりに雇主の感情や都合だけで労働者を好き勝手に解雇することができないように、細かく制限を設けています。そのひとつが、法律上禁止されている解雇についての規定であり、法令で禁止されている解雇の条件に当てはまるときは解雇を申し入れても無効になるような決まりも作られています。

解雇を禁止する条文を定めた労働関連法は複数に渡り、それらをまとめると、約10種の解雇禁止があることが分かります。

労働基準法では、
「国籍などを理由にした差別によるもの」「産前産後休業を申請、取得したことによるもの」「解雇予告手当を支給しないで、1か月未満で解雇すること」を禁止しています。

労働組合法では、「労働組合員であることを理由にした解雇を、男女雇用機会均等法では「性別」「結婚、妊娠、出産を理由」の解雇を禁止しています。育児介護休業法では「育児休暇や介護休暇を取ったこと」による解雇を禁じています。

また、職場とのトラブルや、職場の不正を通告したことを理由にして解雇するのも、個別労働関係紛争解決促進法と、公益通報者保護法によって禁止です。「あっせん」という個別労働紛争の解決を利用したことや、いわゆる、内部通告をしたことは解雇理由にできません。