労働者を募集・採用する時、年齢制限を設けるのは違法

労働者を募集・採用する時、年齢制限を設けるのは違法

バブル経済がはじけてから、大きく変化した日本の雇用情勢。かつては終身雇用で定年退職まで勤めあげるのが立派なこと、とされていたものが、転職が当たり前となり、企業側も生き残りをかけてリストラを断行するようになりました。その結果、急増したのが中途採用者です。一昔前は、「採用」と言えば新卒者を指していたものが、今や新卒でない応募がたくさん集まり、年齢層の幅がぐっと広がることになりました。

更に、高年齢者の雇用の安定を図るために、高年齢者等の雇用の安定等の法律が改正されて、定年の年数も引き伸ばされるか、あるいは、希望によって継続雇用が可能となり、60歳を超えても働きたい人も当たり前になっています。一度定年退職をしてから、再就職のために他の企業に応募をしてくる時代になったのです。

こうした社会情勢を背景として、雇用対策法では、平成19年10月1日から「募集時の年齢制限」を法律で禁止しています。

以前から、採用時の年齢制限については、強い意味では禁止されてはいないものの、「努力義務」として、年齢の差別なく、雇用の機会を均等に与えることが進められてきました。しかし、その結果として、採用の際に年齢によって能力がありながら仕事に就けない高年齢者や、高年齢フリーターが依然減少しないという状況が続くことになりました。

現在は、求人を行う際は年齢不問が原則とされ、公共職業安定所(ハローワーク)のみならず、民間の求人雑誌や新聞に折り込まれる求人広告、インターネット上の求人サイトなど、全ての媒体における求人、および、事業主が個人的な交友関係から直接募集、採用する場合に至るまで、広く全般的に求人・採用について適用されています。

年齢不問とすることで、雇主側は、求職者の能力や、人となりなど、その人の職業上の適性が求人の判断基準となり、求職者の方も、自己アピールを詳しくする必要が生じるといった以前とは違う要素も出てきています。