原則として性別を限定した労働者の募集は違法

原則として性別を限定した労働者の募集は違法

雇主が人を雇い入れるために求人をする場合、実際のところ、多くの場合で「女性の事務員さんが欲しいな」とか「重量物の運搬ができる人で、体力のある若い男性がいいな。」とか、ある程度は、仕事内容に応じて性別の違いも意識しているものと思われます。しかし、実際にハローワークへ行って求人票を見てみると、そういった性別の記載はないのがほとんどですね。なんとなく、不思議に感じませんか?

実は、法律上、男女を指定して、限定的な求人を行うことは禁止されているんです。男女雇用機会均等法によって、「急募・男性」とか「女性の方」などの性別指定や性別限定を行うことは、ごく一部の例外を除いてはできなくなっています。つまり、男女の区別を求人広告や求人票に明記するのは違法になってしまうんです。

例外的に男女を指定できるケースも、「男女を分けて扱うことに、合理的な理由があるものに限る」となっています。

具体的みていくと、まず、「女性でなければ困る」「男性では無理がある」といったケース…演劇、芸能など、役者やモデルさんなどは、「どっちでもいい」という訳にはいきません。また、警備員や守衛さんなどのように、防犯上の必要から、男性でないと困る、という仕事の場合も同様です。

次に、法例上や、その他の慣習、通例などによって、性別が決まっている場合。巫女さんは普通、女性ですし、審判員は男性限定などの決まりがある場合もあります。

職業によっては、法例で男性の就労が制限されている仕事もあります。例えば保健師や助産師などがそうです。この場合、女性のみの求人も可能です。

また、海外派遣を前提とした募集で、現地の慣習や風俗の必要性から、どちらかの性別を限定せざるを得なく特殊事情があるときも、特例として認められるケースとなります。

近年は、男性が主体とされてきた職場にも、女性の進出が目覚ましく、更に、筋力の差をカバーできる機器の開発も進んでいる時代です。男女差を意識しないで働けることも、良い意味で社会の発展かもしれません。