仕事中の交通違反の罰金(反則金)は誰が負担する?

仕事中の交通違反の罰金(反則金)は誰が負担する?

交通機関の発達している街中であっても、商品見本やカタログなどを取引先に持ち込む時には社用車を使うことが多いですね。運送業に限らず、業務で車の運転が必要になる場面というのは意外に多いもの。地方都市で、車が日常の足となると、募集時の条件に「要普通免許」なんてところが当たり前という場合もあります。

そんな仕事での運転中に、交通違反によって罰金が発生したら…これは、そのすべてを労働者が負担しなくてはならないのでしょうか?

「業務の途中で起こったことだから、仕事が原因です。罰金は会社が負担してください。」と言ったら、社長側も「お前がやったことじゃないか!なんで、その責任まで会社がかぶる必要がある!?」と、水掛け論からトラブルになる可能性も高い事なのではないでしょうか。

業務中の交通違反、どちらに責任があるか?が、一つの線引きの基準になるようです。

必要もないのにスピードを出し過ぎて違反キップを切られた、とか、慌てていて標識を見落として駐車違反を取られたなんていうのは、労働者側のミスが原因です。労働者に全ての責任がある場合は、交通違反の罰金も全額労働者が負担することになります。

しかし、労働者側にも実際の運転者という意味での責任はあっても、会社側が違反に関与していた場合は、一概に「全て労働者に責任がある」とは言えなくなってきます。

例えば、上司を載せての社用車出張の場面で、「早めに着きたいから、もっと速度を上げて。」と指示された場合や、「時間がないから、そこらへんに停めておけ。」などと、路上駐車を指示された結果の交通違反であれば、これは「指示に従った結果」です。労働者にすべての責任があるとは言えません。違法な運転を行うような業務命令を出した会社側に問題があります。違反をしなければならないようなスケジュールを立てたり、違反をしない方策を出すことが順当なやりかたですから、それをしなかった会社には責任の一端があります。

とはいえ、罰金の請求そのものは運転者に来てしまいますから、実際の罰金納付は労働者自身が行わざるを得ません。会社からにらまれたくないという心情から、泣き寝入りするケースが多いことも現実のようです。