賞与支給日前に会社を辞めても賞与が支給されるケースがある

賞与支給日前に会社を辞めても賞与が支給されるケースがある

働いている人が受け取るお金のうち、通常の勤務時間に応じて支払われる賃金については細かい規定が定められていて、全額払わなくてはいけない決まりとなっています。しかし、賞与、退職金は就業規則に決まりが無ければ払わなくても構わないものですし、法律的な取り決めはありません。これらは、働いていることに対する、雇主側からのご褒美のようなものなので、法律で「絶対与えなくてはいけない!」と強く強制されるものではないからです。

賞与の場合、多くは働いた期間に応じて受け取る権利が生じます。一般的には「前年の12月1日〜6月30日の間に勤務した実績による」とか、「7月1日〜11月30日までの成績を考慮して定める」とか、いった決まりが就業規則に載せられていることが多いようです。とはいえ、中小企業が多い日本の会社の場合、賞与の支給要件については、大部分、経営者側の裁量が支給の可否を左右する、という場合が多いものです。こうした場合は、特に名前が賞与であれボーナスであれ、報奨金であれ、あくまでも恩給として払われるものと解釈されやすいようです。そうした場合、会社を辞めた後に支給日が回ってくる場合はもちろんのこと、退職直前に支給日がくるような場合は、「辞めていく人間には払いたくない」と、支給しない会社は珍しくありません。就業規則に明記がなくても、慣例として退職者に払わない形をとっていると、貰えなかったボーナスを払ってもらうためには、訴訟を構えるしかありません。受け取ったものを「返せ」といわれることは、出来ませんから、貰ってしまってから辞めるように、自分で調整するしかなさそうです。

反対に、退職後に支給日が巡ってくる場合でも、計算基礎の期間は在職していた人には、在職期間分の対象分だけは支給する旨を就業規則で定めている会社もあります。こういう場合は、何も言われなくても、退職後に支給日が来れば、口座に振り込んでくれることがあります。このような会社は少数派ですが、就業規則が労働者の利益を守るためにしっかり機能していると言ってよいでしょう。

こうした違いは、就業規則から確認できます。もし、ボーナス期間近に転職を考えるのであれば、このような点もしっかりチェックしておくと良いですね。