パートやアルバイトは簡単に解雇されても違法じゃない?

パートやアルバイトは簡単に解雇されても違法じゃない?

パートやアルバイトは、正規雇用に対して「短期雇用」と呼ばれたりもします。正規雇用が原則的に定年退職までの長期に渡る雇用であるのに対して、パートやアルバイトは、基本が数か月〜1年などの、期限を定めた契約更新による雇用であることによるものです。ですから、パートやアルバイトの場合は、当初に労働契約を交わした時に定めた所定の契約期間が過ぎた時点で、次期の契約更新はしない(これを「雇い止め」という)とすれば、解雇の問題は生じません。この点でも、「人手が余れば、人を減らしやすい」という意味で、雇主側にとってはありがたい面もあるわけです。

では、契約期間の途中で、雇主側の都合でパートやアルバイトさんに辞めてもらうということは、何かの問題があることでしょうか?短期雇用だし、簡単に解雇されても、違法には当たらないのでしょうか?

これは、「契約内容、就業規則、これまでの契約更新の仕方」で判断が少し変わってきます。

前述のように、「雇い止め」は違法ではなく、単に予定していた契約期間が満了したので、労働契約が終わった、ということです。これに対して、解雇は契約期間が終わる前に行われるものですから、雇い止めとは違います。解雇は解雇です。当然に、解雇には正当な理由が必要になりますし、30日前の解雇予告を行うか、解雇予告手当を支給する義務も生じます。

更に、雇い止めであっても、それまでの契約更新の在り方によっては、不当な解雇として無効の判断をされる場合があります。

例えば、募集時に「4か月の短期雇用」としていても、実際に働き始めたとき、4か月後に特に問題なければ、そのまま仕事を続けてもらう、などの説明がされていて、契約更新の時に、特に書面の作成なども行われず、そのまま、漫然と何年間も働き続けているようなときは、「期間の定めのない雇用」とみなされ、正社員と同じく解雇については正当な客観的合理的理由や、社会通念上相当と認められる事由が必要になります。パートやアルバイトだから、というだけで簡単に解雇してよいというわけではありません。