リストラによる人員削減は違法じゃないの?

リストラによる人員削減は違法じゃないの?

なべ底景気、平成不況など、景気の悪い時代はいつでもめぐってくるもの。会社の浮沈がかかわる問題ですから、業況が思わしくないとなると、倒産を避けるための様々な手段が採られることになります。かつては「終身雇用制」と言われた日本の企業も、ここ20年ほどはリストラ旋風が吹き荒れるようになりました。大手企業に入社すれば、生涯安泰、と言えたのは昭和の終わりまで。平成の時代は、ベテランだろうと、新人だろうと、「肩たたき」の可能性は等しくあるようです。

「でも、解雇ってそんなに簡単にやってはいけないことになってるはずでしょう?一度に何百人もリストラで解雇するなんて、労働関連法に照らし合わせたら違法なんじゃないの?」という意見も聞こえてきます。

実際のところ、どうなんでしょうか?

整理解雇(リストラ)そのものは、違法とは言えません。ただし、リストラを行うには、法律上の基準に則って適正に行われなくてはならないというルールもあります。これに反した解雇は「整理解雇」には該当せず、違法なリストラということになります。

たとえば、最近よく起こっているのが、過剰な退職勧奨によるリストラです。対象となった人を、勤務時間中に個室に軟禁して、複数人で威圧的に取り囲んで退職届を書くように強要したり、日常的にパワハラ、セクハラ、モラハラを繰り返し、精神的に追い込んだり、職務上の立場を利用して不当な配置転換をする、といった労働者に対する不当・不法な扱いによって、退職を強要された場合は、退職ではなく整理解雇を行ったものとみなされます。また、場合によっては、解雇そのものが不当として、復職を求めて訴訟に発展した例もあります。

整理解雇は、倒産を避けるためやむを得ず行われるものですから、適切な運用がされるべきです。しかしながら、労働者側の知識が不十分であると、不適切な運用も見過ごされてしまう危険が隠れています。自身の生活を守るためにも、解雇に関わる知識も学んでおきましょう。