パートには健康診断をしなくても違法にならない?

パートには健康診断をしなくても違法にならない?

労働基準法は、雇い入れている労働者に対して、雇主が年1回以上の健康診断を行うことを義務付けています。ところで、最近は正社員雇用が減少して、事業所あたりのパート、アルバイトの割合が増えている傾向ですね。健康診断のシーズンになると、「パートさんは健康診断はありません。」なんて通達が来る場合も、ちょくちょく見かけます。パートさんの中には、勤務歴の長い大ベテランさんもいて、ほとんど正社員と変わらないような仕事ぶりなのに、健康診断となると、突如「パートだから」とパスされる。これは、労働基準法に照らして、違法ではないのでしょうか?

さて、法律を調べてみると、年1回以上の健康診断については、パートさんも受ける対象になる場合があります。一定条件に当てはまるパートさんに関しては、正社員と同様に、雇主は健康診断を受けさせなければならない、ということになるのです。

パートさんの健康診断を受ける対象になるかは、「働く期間」と「働く時間」の条件に当てはまるかどうか?が分かれ道になります。

働く期間については、「契約期間が決められていない人」「契約期間が1年以上の人」「契約更新で1年以上働くことが予定で決まっている人」「既に1年以上引き続き働いている人」に当てはまる場合、まず、一つ目の条件はクリアです。

更に、二つ目の条件として、「1週間の労働時間計が、正社員の勤務時間の四分の三以上の時間」である場合、健康診断の対象になります。この労働時間については、強制力はありませんが、1週間の労働時間が、正社員の半分程度であれば、健康診断を受けることが望ましい、とされています。もちろん、パートであっても、正社員と同じ時間数を働いているのであれば、堂々と健康診断の対象入りで、パートだと言うだけで健康診断の対象外とすることは、違法に当たります。

派遣労働者の場合は、派遣先の会社などが実施する健康診断の対象にはなりません。派遣社員の健康診断の義務は、派遣元の会社が実施するという決まりになっています。